生殖医療技術部

皆様の大事な胚や精子を扱う十分な設備と環境を完備し、責任もって管理していきます。皆様の喜びに繋がるよう十分な技術でサポートしていきます。

生殖医療技術部では、精液検査、精液調整、体外受精および顕微授精、胚の培養、胚や精子の凍結・保管などの業務を行っております。

生殖医療技術部部長・博士(農学) 江頭 昭義

生殖医療技術部部長・博士(農学)

江頭 昭義

Akiyoshi Egashira

  • 生殖補助医療管理胚培養士
  • 日本受精着床学会評議員
  • 日本卵子学会代議員
  • 日本エンブリオロジスト学会代議員
  • 国際医療福祉大学大学院
     生殖補助医療胚培養分野 非常勤講師

【主な経歴】

  • 蔵本ウィメンズクリニック 培養室

生殖医療技術部よりコメント
ゲストの皆様が安心して治療をして頂き、一人でも多くのゲストの方に妊娠して頂けるように、日々新しい技術を取り入れながら生殖医療技術部スタッフ全員でサポートさせて頂いています。

不妊治療

胚培養士

配偶子や受精卵・精子を専門に扱う技術者のことをいいます。

皆様の大切な精子、卵子、胚にとって最適な環境を維持するため、培養液や培養機器、培養室内の温度・湿度・照度の管理を厳しく行っています。

当院では、定期的に受精率の成績を出し、月の受精率が70%以上になることを目標に日々精進しています。

培養士集合写真

認定資格者

  • 臨床エンブリオロジスト…2名
    (日本臨床エンブリオロジスト学会認定)
  • 生殖補助医療管理胚培養士…1名
    生殖補助医療胚培養士…4名
    (日本卵子学会認定)
培養室設備2
胚培養士 培養室設備
培養室設備3

当院の培養室は、ヘパフィルターを搭載し、CLASS1000の非常に高い清浄度が保たれています。
入室は限られた者が出入りし、入室の際はエアシャワーを介してできるだけ外部からの埃を除去します。

PICSI

PICSI

一般的な顕微授精では、形態的に正常で運動性が良好な精子を顕微授精に用います。
当院では、成熟した精子の細胞膜にはヒアルロン酸と接着する受容体が発現する性質を利用して、ヒアルロン酸の培養液と接着した精子を選別して顕微授精を行う、Physiological hyaluronan-selected intracytoplasmic sperm injection (PICSI) を行っています。
視覚的な選別のみでは精子が保持するDNAの損傷や、染色体異常等の判別は難しいですが、ヒアルロン酸に結合した精子は、染色体異常の割合が低く、DNAダメージも少ないことが知られており、異常受精等のリスクを軽減できるように心がけています。

Piezo – ICSI

15_Piezo - ICSI

顕微授精は、先端が尖った微細なガラス針を用いて精子を卵子の中に注入します。採卵できた卵子の中には、顕微授精用の針で精子を卵子内に注入する際に細胞膜が非常に弱い卵子も存在し、その生存率は非常に低いことが知られています。そのような卵子に対しては、針の先端が平坦であるガラス針を特殊な装置で細かく振動させることで卵子に非常に小さい穴を開け、卵子内へ精子を注入するPiezo-ICSIを用いて顕微授精を行います。Piezo-ICSIの方が卵子へのダメージが少ないため、これまでの通常の顕微授精で生存率が低いゲストなどに用いています。

 

 

紡錘体観察装置

15_Piezo - ICSI 紡錘体観察装置

顕微授精を行う際には、採卵できた卵子が成熟している必要があります。
しかし、顕微鏡下で観察して成熟卵子と判定しても、すべての卵子が授精する準備の整っている成熟卵子とは限りません。そのため、卵子の成熟時期の指標となる紡錘体 (卵子の染色体を囲んで一つにまとめている) を確認しながら、卵子の染色体にダメージを与えることなく、より授精に適したタイミングで顕微授精を行えるようにしています。顕微授精を行う際に紡錘体が観察できた卵子は、観察できなかった卵子と比較して授精率や胚の発育が良いことが知られています。

紡錘体を観察した顕微授精前の卵子の様子

紡錘体観察前の卵子

通常の顕微鏡で観察した卵子

特殊なフィルターを用いて卵子内の紡錘体(12 時方向)を観察した卵子

特殊なフィルターを用いて卵子内の紡錘体(12 時方向)を観察した卵子

Assisted Hatching (アシステッドハッチング)

卵子や受精卵は受精後に発育する時には透明帯という膜に守られていますが、着床の直前の胚盤胞まで育つと透明帯から脱出し、受精卵は子宮内膜へ着床します。良好胚を移植しても妊娠が成立しないなど着床障害が疑われる場合には、胚がうまく透明帯より脱出できていない事が原因の一つと考えられています。また、凍結・融解した胚の場合には、融解後に透明帯が硬くなることもあり、これが原因で透明帯から脱出できないために妊娠が成立しない場合もあります。胚が着床しやすくするため、透明帯からの脱出を補助する技術の事を透明帯開口法 (アシステッドハッチング) といいます。アシステッドハッチングには様々な方法がありますが、当院では、より安全な方法としてレーザーアシステッドハッチング (Laser Assisted Hatching) システムを用いて実施しています。

Laser Assisted Hatching システムを用いて、透明帯の一部を開口している様子

AH後の胚盤胞

アシステッドハッチングして 2 時間培養した胚盤胞

Embryo Glue® (エンブリオグルー)

Embryo Glue® (エンブリオグルー) は胚移植時に使用するヒアルロン酸を豊富に含んだ培養液のことを言います。ヒアルロン酸は、ヒトの体には多く含まれており、子宮や卵管内にもあると言われています。ヒアルロン酸が入っていない場合と比較して、ヒアルロン酸が高濃度に入っているほうが、妊娠率が高くなると報告されています。これは、着床する直前の胚の表面と子宮内膜表面にはヒアルロン酸に結合する受容体があり、お互いがつながりやすくなる手助けをする役割があると言われています。当院では胚移植を行う全症例に対してこのエンブリオグルーを使用しています。また、エンブリオグルーはFDA (米国食品医薬品局) に認可されており、受精卵を移植する時に使用しても安全であることがわかっています。

培養室内写真
  • ウォーターインキュベーター
  • ドロワータイプインキュベーター
  • ドライインキュベーター

現在、最大30名のゲストの胚を個別に培養管理することができます。

タイムラプスインキュベーター

タイムラプスインキュベーター

タイムラプスインキュベーターは、受精卵が発育する様子を胚移植や凍結を行うまでの間、定期的に撮影し記録できます。
これにより受精卵をインキュベーターの外に出して顕微鏡で観察する必要がないため、安定した培養環境を維持しながら、受精卵が発育していく様子を確認することができます。そのため、より妊孕性の高い受精卵を選択することや、凍結に適したタイミングを逃すことなく実施することが可能となります。
タイムラプス観察装置は、24時間培養環境をモニタリングしているため、スタッフがいない時間帯にインキュベーターに異常が起きたとしても、スタッフに連絡が入り、すぐに対応できます。そのため安心・安全な培養環境を提供できるようになっています。

タイムラプスで観察した受精卵の様子

指差し確認する胚培養士 安全対策

培養機器には24時間監視システムを導入し、異常時には担当者へメールを配信し、迅速に復旧対応できるよう万全を期しています。

卵子や胚・精子の取り扱いは、当院の基準をクリアした者のみが行っています。

また、患者様の取り違い防止のため、皆様の大切な精子、卵子、胚を取り扱う際は、常に二人の培養士でダブルチェック(声出し、指差し確認)を行い、細心の注意を払っております。

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